二階の窓から

026 をぐら山


をぐら山 峰の紅葉ば 心あらば
今ひとたびの みゆきまたなむ

貞信公ていしんこう

品詞分解

    やま
をぐら山
【小倉山】
みね もみぢ  
紅葉ば
格助
【もみじ葉】
こころ
あら
接助
ラ変
(未然形)
仮定条件
いま
ひとたび みゆき
格助
さらに。もう。 【一度】 【行幸】
ま  
待た なむ
終助
タ四
(連用形)
希望

現代語訳

小倉山の
峰のもみじ葉よ。
もし心があるならば、
もう一度(今度は醍醐天皇の)行幸みゆき
待ってほしいよ。

作品の解説

出典『拾遺集』雑秋・1128

宇多上皇うだじょうこうが大井川に御幸で訪れた際に、「ぜひ醍醐天皇も訪れて欲しい」と仰ったのを、貞信公がその旨を申し上げましょうと言って詠み上げた歌。
※天皇の外出は「行幸ぎょうこう」、上皇の外出は「御幸ごこう」という。いずれも訓読みでは「みゆき」。

作者

貞信公ていしんこう(880 - 949)

藤原忠平ふじわらのただひら。貞信公は死後のおくりな
温厚勤勉な性格で、兄の時平(菅原道真を陥れた あの藤原時平)の死後、氏の長者となってからは藤原氏全盛の礎を築いた。
歌にもその性格が表れており、温雅な作風である。

百人一首 (角川ソフィア文庫)
→Amazon.co.jpで購入

島津 忠夫 (翻訳)
文庫: 317ページ
出版社: 角川書店; 新版 (1999/11)
言語: 日本語
商品パッケージの寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
←前
025 なにしおはゞ
次→
027 みかのはら
二階の窓から > 古典ノート > 品詞分解 百人一首 > 026 をぐら山