ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くゝるとは
| ちはやぶる |
| 連語 |
| 枕詞(→神) |
| かみよ | |||
| 神代 | も | きか | ず |
| 名 | 係助 | 動 | 助動 |
| カ四 (未然形) |
打消 (終止形・二句切れ) |
| たつたがは |
| 竜田川 |
| 名 |
| 歌枕 (奈良県の川) |
| からくれなゐ | に |
| 名 | 格助 |
| 【韓紅】 |
| みづ | |||
| 水 | くゝる | と | は |
| 名 | 動 | 格助 | 係助 |
| ラ四 (終止形) |
神の世でも聞いたことがない。
竜田川を
真っ赤に(紅葉が流れ)
(その下を)水がくぐって流れるとは。
※顕昭説
神の世でも聞いたことがない。
竜田川を
(紅葉が)真っ赤に
水をくくり染めにするとは。
※賀茂真淵説(今日ではこちらが定説)
出典『古今和歌集』秋下・294
「くくる」の解釈が2パターン存在する。
撰者とされる定家の記した『顕註密勘』には「水くぐる」として記載されており、当時は「水が潜る」というのが定説だったようだ。
しかし江戸時代以降、賀茂真淵らによって「くくる」と読む説が普及した。
在原業平朝臣(825-880)
在原氏。行平の異母弟。
六歌仙のひとりで、勅撰和歌集になんと87首も入集している。
「伊勢物語」の主人公のモデルとされており、奔放で歌才に恵まれたみやび男のイメージが形成されていった。