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(4)平地の地形


a)堆積平野

河川・海洋の堆積作用により形成された平野。

@沖積ちゅうせき平野

完新世(1万年前〜現在)に河川の堆積作用で形成された平野。利水がよいが、形成年代が浅く地盤が緩い。
典型的な地形として扇状地、氾濫原、三角州がある。

・扇状地

扇状地

◎主な土地利用

扇頂せんちょう川が山間から出てきた場所。谷口集落たにぐちしゅうらく・棚田が形成される。
扇央せんおう砂礫質で水はけがよく、河川は地下を伏流する。水が得にくいため、果樹園・畑に利用される。
扇端せんたん湧水を利用する集落・田が形成される。

氾濫原はんらんげん

側方侵食と河跡湖

河跡湖かせきこ:河道の側方侵食により切り離された旧河道。三日月湖ともいう。

側方侵食と河跡湖

自然堤防:氾濫によって土砂が河道に沿って堆積してできた微高地。
 →集落・畑として利用される
後背湿地こうはいしっち:自然堤防の後ろに広がる湿地。
 →水田に利用される

自然堤防の上に人工的な堤防が作られ、土砂が外へ排出できなくなると、河床上に土砂が溜まり天井川てんじょうがわになることがある。

・三角州

河口に細かい砂・粘土が堆積してできた島。

A洪積こうせき台地

更新世(260万年前〜1万年前)の堆積面が隆起してできた台地。隆起三角州、隆起扇状地など。
典型的な地形として河岸段丘がある。

河岸段丘かがんだんきゅう

河岸段丘
@下刻侵食力を失った川が、隆起することによって再び侵食力を取り戻す。
A再び下刻侵食が行われ、さらに狭い川ができる。
(B再び隆起した場合はAにもどる)


b)侵食平野

侵食作用により形成された平野。

@準平原

☞侵食輪廻の最終局面

A構造平野

卓上地が長い時間をかけて侵食されてできた平野。
安定陸塊の周辺部に発達する。
(例)アメリカ中央平原 ← ローレンシアの周辺部
西シベリア平原 ← アンガラランドの周辺部

構造平野にみられる特殊な地形として、以下のものがある。

・メサ、ビュート

硬層が侵食されずに残った、頂上の平坦な柱状の地形。

・ケスタ地形

ケスタ地形
硬軟の互層が緩やかに傾斜している場合、選択侵食によって非対称の丘陵となる。これをケスタ地形という。

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