辞典というのはそう安いものでもないし、一度買ってしまえば買い換えることなど、まずない代物だ。ましてや古語辞典とあらば、そうしょっちゅう新しい語や意味が現れるわけでもないのだから、なおさらのこと。慎重に選ぶべき物です。
高校入学にあたって必要になる、あるいは個人的に古典の勉強をしたい、など古語辞典を買う動機には色々あるかと思いますが、どんな辞典を買うのが正解なのでしょうか?
必ず実物を見ることが大事です。試しに、いくつかの辞典のページを抜粋してみましょう。
同じ古語辞典とは雖も、ぱっとこの2つを並べてみただけで、かなり内容が違うことが分かるかと思います。
私としては、旺文社の古語辞典は、赤い罫で囲んだ簡潔な説明が所々にあり平易な説明を心がけている印象、三省堂の新明解は、文章での説明は素っ気ないもののイラストの掲載が多い印象です。しかし、全く違う点に着目してこの2つの辞書の違いを見つけた方もいらっしゃることでしょう。それが大事なポイントです。
辞書というのは、中を開いて見ないと分からないのです。
この3つを守れば、満足のいく辞書を買えるはずです。そのためにも、たくさんの辞書が置いてある都会の大規模書店(淳久堂など)で買うことをお勧めします。でかい書店だと、見本用に一部置いてあったりもしますよ。
高校生の古典学習用として、王道とされているのは旺文社の「古語辞典」もしくは「全訳古語辞典」でしょうか。何にせよ、実物を見て決めるべきです。
辞書を買う際に、よく悩みの種となるのが「紙か、電子か」です。欲を言えば、両方欲しいところです。なぜならこの2つは本質的に全く違うものだからです。
同じ「たてまつる」という言葉を調べたときに、紙・電子それぞれで目に入ってくる情報を並べてみました。どうですか。全く違うでしょう?
電子辞書の便利さ(軽い・すぐに言葉を引ける など)は間違いないのですが、入ってくる情報量がクリティカルに狭められすぎています。紙の辞書のほうがより好奇心を搔き立て、より多くのことを学ぶ可能性があるということは、火を見るよりも明らかだと思います。
ですから、ぜひ紙と電子辞書の両方を買ってください。
どうしても片方しか買えないという場合、
という選び方をするのが良いかと思います。
古語辞書を買うのは、大抵の方が中学・高校進学の際だと思います。電子辞書を買うなら、大学に入ったときのことも考えて、英語以外の外国語が入れられるものを選ぶと良いでしょう。第二言語として選択されることが多いドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語あたりの辞書が追加できるモデルなら間違いないかと思います。大抵の機種が対応しているはずです。
メーカーは電子辞書で圧倒的なシェア(約6割)を持っているカシオがお勧めです。大学に入って先輩から辞書の入ったメモリーカードをもらう、ということもあるかもしれませんが、メーカーが違うと使えませんよ。