この頃流行のロボット掃除機。 ロボットが掃除をしてくれるだなんて、22世紀のドラえもんの世界みたいで近未来的だ。
アイロボット社の「ルンバ」がその名前の軽快さを武器に売れたおかげで、ロボット掃除機もずいぶん市民権を得てきた。(地雷除去の技術を駆使しているとは知らない人も多いだろう)
しかしルンバは高い。ブランドに価値があるからだ。
いっぽう、最近はアイロボット社以外も、次々とロボット掃除機市場に参入してきており、こういったメーカーのものは1万円台からあったりして、結構安い。まあ言うなればジェネリックルンバだ。
で、実際のところロボット掃除機ってどうなの? という話だ。
そんなことを思っていた矢先、アマゾンのサイバーマンデーでジェネリックルンバ(Anker社のEufy RoboVac11S)が13,000円のセール価格になっているではありませんか!
…ということで買ってしまいました。ロボット掃除機を使ってみての感想・考えを書いておきます。
ついに「ロボットが一家に一台」の時代の到来だ。届いたのでさっそく開けてみよう。
上面はスタイリッシュな強化ガラスだが、底面はなかなか無骨だ。思っていたよりタイヤがでかい。
タイヤはバネで沈み込むようになっていて、段差でもタイヤがきちんと接地するのだろう。多少の段差は難なく超えていく。
軽めのバスマットなどは押しのけながらグイグイ掃除をしていくぞ! …いやいや、押しのけてもらっちゃこまるんだけどね!乗り越えて上を掃除してよね! まあそういうお茶目なところはある。
前面に赤外線のセンサーが配置されているようだ。(写真には紫色の光が写り込んでいる。人の目では見えない)大きい障害物はこのセンサーで検知して、避けながら進む。
椅子の細い脚など、センサーで検知しきれないものには衝突するが、前面がバンパー型のスイッチになっていて、ぶつかるとすぐに後退して回り道をする動きをとる。
掃除するのを後ろから追いかけて観察していたが、きちんと埃・髪の毛などを吸っていく。電池の持つ限り(約2時間)延々と走り回り続ける(人間にはできまい!10分程度で嫌になるだろう)ので、吸い残しはほとんどなかった。
しかし学習機能が無いエントリーモデルなので、ランダムにとにかく走り回る。効率的とは言えない動きをしているが、駆動時間の長さでそれをカバーしている感じだ。
その他の細かい使用感や写真は他のレビューサイトに詳しいと思うので、ここでは割愛しよう。
掃除機をかける、というのは非常に単純な作業だ。ロボットにも十分にできる。
学習をしながら効率的に、となると高価な機種でないと出来ないようだが、駆動時間が長く、長時間労働を嫌がらない(ロボットだからね)ので、別に問題は無い。これは逆に言うとロボットにしかできないことだ。
一番困ったのは、センサーで検知しきれない電源コード類に引っかかって、身動きが取れなくなることだ。これを見ると苛立ちと哀れみの混ざった不思議な感情が湧いてくる。
ガタガタ煩いし、放っておくと充電基地に戻れずここで餓死(電池切れ)することになる。
こうならないように、床の上に障害物が無いように人間がロボットに合わせて環境を作ってやる必要がある。ロボット様のために、ね…。
AIが進化して技術的特異点を迎え、そのうち人間が支配される時代が来るのではないか、なんていう話もまことしやかに語られるが、
その時代は、もうすでに来ている!
これまでは鞄を床に放り出したり、服を床に脱ぎ捨てたりしていたのだが、
「ロボットが引っかかるのでは…。」
「ロボットに吸われるのでは…。」
と気にするようになり、床の上に物を置くことがなくなった。ロボットが来たことで、生活の一部が変化しているのだ。
ロボットのために床の上はクリアに。これは完全に副次的な効果だったが、「ロボットへの遠慮」の効果は非常に大きい。
なんだか「やらされている感」を伴ってしまい、あまり愉快な話では無い。
廉価モデルということもあって、「ロボット掃除機」は、まだスマートでは無い。それに人間の方が合わせてあげる必要がある。ちょっとそれが嫌だなあ、と思うのは確かだ。
しかし、
といったことは、間違いなくメリットだ。最初に電源コードなどを固定して、「共生」できる環境を作ってしまえば、あとはメリットしか無いだろう。
まだメリットを十分に享受できていない状況なので、これから僕の中で印象が変化していくのを楽しみにしている。