(2)石炭と工業
石炭とは
植物が地中に埋もれ、圧力で炭化したもの。
種類
 - 無煙炭
 炭素含有量が90%以上。純度が高いので、燃焼時の煙や匂いが少ない。家庭用燃料として用いられる。
- 瀝青炭
 炭素含有量が83〜90%程度。乾留(蒸し焼き)することでコークスにして、製鉄に用いられる。
- 褐炭
 炭素含有量が82%以下。水分や不純物が多く重いため、採掘地近くでボイラーなどの燃料として用いられる。
採掘方法
- 坑道採掘
 地下への通路を作り採掘する方法。
- 露天採掘
 第二次世界大戦後、重機の登場によって可能となった。重機で表土を除去して、階段状に採掘していく階段式が多い。
世界の炭田と工業
@ 中国
炭田と鉄山が結びつき、内陸に三大鉄鋼コンビナートが成立。
 | 炭田 | ▲鉄山 | ○コンビナート | 
 | 撫順 | 鞍山 | 鞍山 | 
 | 大同 | 白雲顎博 | 包頭 | 
 | 萍郷 | 大冶 | 武漢 | 
 
A アメリカ合衆国
 - アパラチア炭田
 全米最大。五大湖の水運と結合。
- 中央炭田
 露天掘り。シカゴ、ゲーリーへの給炭地として発展。
- ロッキー炭田
 市場(五大湖周辺の工業地帯)に遠く、品質も劣るため、開発が遅れた。
 
B インド
ダモダル炭田とシングブーム鉄山の間のジャムシェドプルで、鉄鋼業が発展。
 
C オーストラリア
石炭は東部に集中している。
主要な炭田は、クインズランド州のボウエン炭田とモウラ炭田。
対日供給の輸出港はグラッドストンとロックハンプトン。
ちなみに、鉄鉱石は西部。ボーキサイト(アルミの原料)は北部。
 
D ヨーロッパ
- グレートブリテン島(イギリス)
- 北フランス〜ルール(ドイツ)
- ボヘミア〜シロンスク(チェコ北部・ポーランド南部)
に炭田が集中している。
鉄鉱石はビルバオ(スペイン)、ロレーヌ(フランス)が閉山しており、ほとんど採掘されていない。スウェーデン・海外から輸入。
可航河川(ライン川など)や運河を利用して、船で石炭や貨物を輸送している。河川に沿って工業都市が発展している。
