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(6)気候区の判定


A:熱帯

下記の図に基づいて分類を行う。簡単。

A気候の区分

B:乾燥帯

三つの段階を踏んで判定を行う。かなり複雑なので、順を追って見ていく。

@ 降水型を判別する

w(冬期乾燥)型 最多雨月が夏にあり、
最少雨月降水量×10 < 最多雨月降水量
s(夏期乾燥)型 最多雨月が冬にあり、
最少雨月降水量×3 < 最多雨月降水量
f(年中降水)型 上記いずれも成立しない

A r(乾燥限界値)を算出する

@で分類した降水型によって、r(乾燥限界値)の算出式が異なるので、それぞれに当てはめて計算する。

w型 r = 20(t+14)
s型 r = 20t
f型 r = 20(t+7)

※t = 年平均気温(℃)

B R(年降水量)と比較する

R(年降水量)をr(乾燥限界値)と比較する。

r ≦ R Bではない
r/2 ≦ R < r BS(ステップ気候)
R < r/2 BW(砂漠気候)

例)ラホールの気候区分

例として、ラホール(パキスタン)の気候区分を判定してみよう。
ラホールのハイサーグラフ

@最少雨月降水量と最多雨月降水量を比較

最少雨月降水量:4.2mm(11月・冬)
最多雨月降水量:202.1mm(7月・夏)

 4.2×10
=42 < 202.1

が成立するので、w(冬期乾燥)型である。

Ar(乾燥限界値)を算出する

w型なので、

 r
=20(24.3+14)
=766

BR(年降水量)と比較する

R=628.2

766/2 < R < 766

なので、ラホールはBS(ステップ)気候である。

C:温帯

B(乾燥帯)の降水型をそのまま流用して分類する。
f(年中降水)型のみ、さらに温暖〜寒冷の順でa〜cに分類される。(Cfa,Cfb,Cfcの三種に分けられる)

最多雨月が夏にあり、
最少雨月降水量×10 < 最多雨月降水量
Cw(温暖冬期乾燥気候)
最多雨月が冬にあり、
最少雨月降水量×3 < 最多雨月降水量
Cs(温暖夏期乾燥気候)
地中海性気候ともいう。
上記いずれも成立しない 最暖月平均気温が22℃以上
Cfa(温暖湿潤気候)
最暖月平均気温が22℃未満 かつ
平均気温10℃以上が4ヶ月以上→ Cfb
平均気温10℃以上が3ヶ月以下→ Cfc
(いずれも西岸海洋性気候)

D:冷帯(亜寒帯)

同じくB(乾燥帯)の降水型をそのまま流用して分類する。

最多雨月が夏にあり、
最少雨月降水量×10 < 最多雨月降水量
Dw(冷帯冬期乾燥気候)
最多雨月が冬にあり、
最少雨月降水量×3 < 最多雨月降水量
Ds(冷帯夏期乾燥気候)
高地地中海性気候ともいう。分布地域が非常に少ない。
上記いずれも成立しない Df(冷帯湿潤気候)

E:寒帯

最暖月平均気温によって二つに分類される。簡単。

月平均気温 0℃以上10℃未満 ET(ツンドラ気候)
月平均気温 0℃未満 EF(氷雪気候)
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