二階の窓から

西尾維新/『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』


★★★★★
 著作が続々とアニメ化・ドラマ化されている西尾維新のデビュー作です。

 今まで何となく遠ざけて読んでいなかった西尾維新の著作、まずはデビュー作から読んでみよう、ということで。

 総評としては、「思ってたよりも面白かった」という感想。 ちょっとトリックが荒すぎてビックリする。そしてなんといっても、問題はあとがきである。

出版データ

単行本(新書判)

作品名 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
西尾維新
ブックデザイン 熊谷博人
カバーデザイン Veia
イラスト
発行 2002年2月5日(第一刷)
2003年1月22日(第八刷)
発行所 講談社
印刷 豊国印刷
製本 国宝社
ISBN 978-4-16-182233-0

製本・装丁

クビキリサイクル 表紙カバー

カバー

クビキリサイクル 中面

中面

あらすじと感想

 ミステリー作品としては最終的なトリックがベタ過ぎる感じ(え〜、そんなトリック?という感じ)がしましたが、主人公「ぼく(いーちゃん)」の掴めないキャラクター、そして彼を取り巻く「天才」たちの破天荒さも相まって、展開が読めず、悔しいけど思いの外面白かったです。読み進めるにつれて「ぼく」がかなり歪んでいるということが判ってきて、ひょっとして「ぼく」が真犯人なのでは? と疑ったり。

 本作のミソは、結局のところ主人公を取り巻く誰もが「普通でない」というところにあって、なおかつ主人公「ぼく」も何やら変だぞ……? という八方塞がり感にあるのかなあ、という気がします。
 それから随所に現れる言葉遊びですね。タイトルがダブルミーニングになっているのか、と気づいたときは素直に感心しました。

 ただ、内容とは関係ありませんが、あとがきがちょっとクサい。400ページ近い本文で面白い文章が書けてるのに、たった2ページで作者の印象が下がってしまったので勿体ない気がします。

商品展開

単行本(新書判)と文庫判があります。

新書判

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
→Amazon.co.jpで購入

西尾維新 (著)

新書判: 384ページ
出版社: 講談社 (2002/2/7)
文庫判

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い
→Amazon.co.jpで購入

西尾維新 (著)

文庫判: 562ページ
出版社: 講談社 (2008/4/15)
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