今まで何となく遠ざけて読んでいなかった西尾維新の著作、まずはデビュー作から読んでみよう、ということで。
総評としては、「思ってたよりも面白かった」という感想。 ちょっとトリックが荒すぎてビックリする。そしてなんといっても、問題はあとがきである。
単行本(新書判)
作品名 | クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い |
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作 | 西尾維新 |
ブックデザイン | 熊谷博人 |
カバーデザイン | Veia |
イラスト | 竹 |
発行 | 2002年2月5日(第一刷) 2003年1月22日(第八刷) |
発行所 | 講談社 |
印刷 | 豊国印刷 |
製本 | 国宝社 |
ISBN | 978-4-16-182233-0 |
カバー
中面
ミステリー作品としては最終的なトリックがベタ過ぎる感じ(え〜、そんなトリック?という感じ)がしましたが、主人公「ぼく(いーちゃん)」の掴めないキャラクター、そして彼を取り巻く「天才」たちの破天荒さも相まって、展開が読めず、悔しいけど思いの外面白かったです。読み進めるにつれて「ぼく」がかなり歪んでいるということが判ってきて、ひょっとして「ぼく」が真犯人なのでは? と疑ったり。
本作のミソは、結局のところ主人公を取り巻く誰もが「普通でない」というところにあって、なおかつ主人公「ぼく」も何やら変だぞ……? という八方塞がり感にあるのかなあ、という気がします。
それから随所に現れる言葉遊びですね。タイトルがダブルミーニングになっているのか、と気づいたときは素直に感心しました。
ただ、内容とは関係ありませんが、あとがきがちょっとクサい。400ページ近い本文で面白い文章が書けてるのに、たった2ページで作者の印象が下がってしまったので勿体ない気がします。
単行本(新書判)と文庫判があります。