二階の窓から

(1)測量の予備知識


測量とは

地表面にある地点間の、幾何学的な相互関係を測ることをいう。
測量機で距離や角度を測り、三角関数などを用いて位置関係を計算していく。

弧度法

日常生活では、角度というと円の一周を360°とする「度数法」を使うことが多いが、
三角関数を活用する測量の世界では「弧度法こどほう」を多く用いるので、弧度法も理解しておこう。
弧度法(ラジアン)

水色の扇形のように、半径rと弧の長さが等しくなる中心角が 1[rad]ラジアン だ。
これが弧度法による角度の定義だ。

じゃあこの1[rad]って度数法でいうと何度なのよ? というのは、ピンク色の半円を考えると計算できる。
半円の中心角は度数法で言うと180°だ。
さて、ここで半円の弧の長さに注目しよう。
半円の弧の長さはπrなので、rのπ倍となる。角度もこれに比例して大きくなっているので、弧度法でいうと1[rad]のπ倍で、π[rad]だ。

※πは円周率。およそ3.14

以上の内容から、

180°=π[rad]
両辺をπで割り、左右を入れ替えて

1[rad]=
180°

π
≒57.3°

また、測量において角度は「度(°)」をさらに細かく分けて「分(’)」、「秒(”)」という単位も使う。

1°=60’=3,600”

である。これを[rad]に置き換えると、

1[rad]
≒57.2958°
≒3,437.74’
≒206,265”

となる。

さて、この弧度法は半径角度弧の長さの関係式である。
ということは、このうち2つが分かっていれば、残り1つは計算することができる。たとえば、下記の例をみてみよう。

弧度法(ラジアン)

1,000m離れた場所の2点を測って、その角度が40”(秒)だったとする。
この2点間の距離xは、弧度法を使うとその近似値を計算できる。(直線距離ではなく弧の距離になるので若干の誤差が出るが、秒単位であれば殆どない)

x≒1,000m×
40”

206,265”
≒0.194m

三角形に成り立つ法則

この辺りは完全に高校数学のおさらいだ。

三角関数と三平方の定理

三平方の定理

直角三角形に成り立つ。ピタゴラスの定理とも言う。

b2=a2+c2

三角関数

直角三角形の角と辺の関係に注目した関数のこと。

sinサインθ=
a

b
cosコサインθ=
c

b
tanタンジェントθ=
a

c

余弦定理と正弦定理

余弦定理と正弦定理

余弦定理
a2=b2+c2-2bc cosA
b2=a2+c2-2ac cosB
c2=a2+b2-2ab cosC

正弦定理
a

sinA
b

sinB
c

sinC

三角形の面積

△ABC=
1

2
bc sinA
←前
 
次→
 
二階の窓から > 地理ノート > 番外編.測量 > (1)測量の予備知識